透明マスクについて

透明マスクについて

先日の記者会見のときに、私がつけていた「透明マスク」について、「どうして透明なの?」と質問をいただきました。
ひとつは、会見をご覧になられた聴覚障がい者の方々に、私の口形や表情が見えるように、すなわち話をしている内容をきちんと伝えられるようにです。
聴覚障がい者にとって、「口形」は大切なコミュニケーション手段のひとつであり、話の内容を理解する上で欠かせません。それを覆い隠してしまうマスクは、私たちにとって大きな壁になってしまうのです。

実際に、マスクで口元が見えないことで、以前よりも意思疎通が困難になったと感じている聴覚障がい者の想いをよく聞きますし、私自身も日々困っているのが現実です。

エピソードを記載します。

――― 先日、私は病院で大失敗をしました。個人病院だったので呼び出しは番号ではなく音声。
「横倉さん」と呼ばれたのが、「所さん」に聞こえ、堂々と診察室に入ってしまいました。
(当の横倉さんはたまたま席を外していたようです)
受付で、「聞こえません。口元をはっきり見せて話してください。」というカードを提出していたので、
私が聞こえないことは当然分かっているだろうと思い込み、マスクを外してくれない医師や看護師さんに対しても
「今はコロナの影響で無理もないか…」と諦め半分。
ところが、医師との会話がズレまくり、何やら検査…と言われた時、
「検査?薬をもらいに来ただけなのに?」と慌てて
「すみません、先生の声、ほとんど聞こえません、受付でお伝えしましたが、難聴なので」と切り出しました。
すると医師が「え?横倉さんですよね?」と確認。やっと人違い、聞き間違いに気づいた次第です。
改めて、今まで自分がどれだけ口形に頼ってきたか、思い知らされました。
聞き取れないときは、曖昧にしないできちんと伝えていかなければ…と反省しきりです。 ―――

コロナ感染防止のためのマスクは、今や絶対に欠かせないものですが、私たち聴覚障がい者のこういった切実な事情も社会全体に共有され、TPOにあわせた透明マスクの活用がうまく進めばいいな、と願っていますし、私がその先頭に立ちたいと思っています。

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