聴覚障がい者の参政権保障を考えました
先日、「東京都聴覚障害者の参政権保障委員会」の勉強会に参加させていただきました。
この勉強会は、
・公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構 東京都聴覚障害者連盟
・認定NPO法人東京都中途失聴・難聴者協会
・東京都手話通訳問題研究会
・東京都手話サークル連絡協議会
・NPO法人全国要約筆記問題研究会東京支部
といった、聴覚障がいに関わる様々な角度の団体の皆様で作られています。
この活動の契機になったひとつに、1986年の「無言の政見放送」問題がありました。
1986年の参議院選挙選挙で、ろう者で手話話者の渡辺完一さんが立候補されました。
そして、自分の政治に関する考えを述べる「政見放送」に手話にて、お話されました。
政見放送は、テレビ・ラジオで放送されるものなのですが、手話ですと、当然、音による発信がありません。
そうすると、健聴者から見ると、「無言」の政見放送になってしまいます。
ラジオですと、手話も伝わりません。
こうした出来事は契機になり、現在のように、政見放送に手話や字幕による情報保障がされるようになりました。
私も、詳しく知らない部分もあり、大変勉強になりました。
今となっては、政見放送における手話や字幕は当たり前のように感じますが、その道を切り開かれた方がおり、そして応援し、仕組みを変えた方々がいらっしゃるのですね。
とても尊敬の念をいただきました。
私も、聴覚障がいの当事者として、自分自身の選挙を振り返り、困ったことや工夫したやり方などを意見交換させていただきました。
参加された皆様の中には、手話を中心に活動されている方・要約筆記を中心に活動されている方などもいらっしゃいました。
(写真は、要約筆記の「略語」です。これを見るだけでも、大変勉強になりました)
一口に情報保障といっても、様々な視点があります。
本日のように、ひとつの問題に対して、皆様で活発に意見を交換し合うこと、違う視点からの意見を考えることも、バリアフリーのためにはとても重要ですね。
これからも、皆様と一緒に勉強し、意見を交換させていただければと存じます。
そして、聴覚障がいに限らず、障がいがお有りの方の政治参加、もっと言えば、障がい当事者の方が政治家となり、ご活躍されるようになることを願います。
東京都 北区議会議員 斉藤りえ
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